見事に無敗で3冠を達成したディープインパクトとその陣営。
1週目4コーナーまでは引っ掛かり、スムーズなレース運びとはならなかったが、直線に入ってからの伸びはいつもどおり。粘りに粘る横山典騎乗のアドマイヤジャパンを2馬身ほど離しての3冠達成だった。 ぼくは無敗の3冠はおろか、3冠達成の瞬間を見ることすらも初めてだったので、そのとき自分はどんな気持ちになるのだろうかと内心わくわくしていた。 しかしなぜかあっさりとした気分でこの文章を書いている自分がいる。ディープインパクトが強すぎるからか、はたまた現地で見ていないせいか、正直なところ現時点では分析しきれていないが、その原因としていま感じているのは「予定調和」の雰囲気だ。 皐月賞の時はスタートでつまずいた不利を跳ね返し、圧勝した姿に驚き、ダービーは現地で観戦し、特有の熱気を感じた。 皐月賞、ダービーと比較して、今回の菊花賞がつまらないレースだったといいたいわけでは決してない。ディープインパクトはなかなか折り合わず、今までのレースの中では最も苦戦したといっていい。その中での勝利は3冠達成以前に、価値があるものだ。 それに、いくら良血馬であってもあれだけの馬が出ることはめったないし、あれだけの重圧の中で結果を出すのはものすごく大変なことだ。 その中で無敗での3冠という偉業を達成したディープインパクトとその関係者には敬意を表したいと思っている。 デビュー直後から3冠の呼び声がかかっていたディープインパクトは完全な形で人々の願いに応えた。まさにここまでは「予定通り」だったのかもしれない。その本当の価値に気づくのは、これから数々の馬が3冠に挑戦し、敗れていく姿を見たあとだろう。 無敗の3冠を達成してもなお、物足りなさを感じさせるということは、それ以上の期待をディープインパクトに持っているということだ。 それほどのスケールを感じさせるディープインパクトという馬はこれからどんな道を歩むのだろうか。
by daisuke-k-20
| 2005-10-23 18:43
| 2005クラシック戦線
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